【欧州羽毛旅行記】その② ドイツフランクフルト&ピーターコール社

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目次
1.フランクフルト
2.ピーターコール社
3.羽毛は加工が重要

この記事は以前当社のHP(http://www.kaiminseibu.jp/)に掲載していた『店長のヨーロッパ羽毛旅行記(http://www.kaiminseibu.jp/umouryokouki.html』⇒現在はHPから削除、キャッシュでは閲覧可能)を
本ブログ用に再編集・掲載したものです。

1.フランクフルト

ドイツの街並みはとても美しいです。かつて新婚旅行で訪れた『ローテンブルク』や『ハイデルベルク』は中世の雰囲気を色濃く残した、まるでおとぎの国でした。あの時の感動は今でも忘れられません。

それと比べて『フランクフルト』はドイツ経済の中心地で、なおかつ人口の約3分の1が外国人という国際都市でもあるため、その街並みは近代的で、私からすると少し物足りない印象を受けました。

それでも街の中心部にある『レーマー広場』には、神聖ローマ帝国時代の貴族の家が、今なお市庁舎として使われているなど、わたし好みの雰囲気がしっかりと残されていました。

ドイツは寝具の先進国。世界的に有名な寝具メーカーが数多く存在しています。そんなドイツを代表する国際都市であるフランクフルトでは、毎年1月に『ハイムテキスタイル』という世界最大規模の展示会が催されます。『ハイム』とは英語で『ホーム』、『テキスタイル』とは『布地・繊維』つまりインテリアと寝具の総合展示会です。今回の視察旅行がこのような一番寒い時期になったのも、この展示会の日程に合わせたためです。

10個ほどの大型ビルを縦横に連絡通路でつなげて作られた会場は迷路さながら。その規模は『東京ビッグサイト』や『幕張メッセ』などとは全く比べ物になりません。会場内はヨーロッパ人だけでなく世界中のあらゆる人種が集っていました。

1日半かけて会場内を歩き回りましたが、全体の半分も見ることが出来ませんでした。それでも世界標準の寝具のトレンドを、この目でじかに見ることができたのはとても貴重な体験でした。

ところでドイツ製の寝具やマットレスは有名ですが、ドイツ産の羽毛が入った羽毛ふとんって、あまり見かけないと思いませんか?ヨーロッパの羽毛の産地といえば、『ポーランド』や『ハンガリー』の方がはるかに有名ですよね。実際のところドイツでは、羽毛原料を採ることそのものよりも、羽毛の加工や製品化が盛んです。それをドイツ国内だけでなく、日本はもちろん世界各地に輸出しています。

2.ピーターコール社

ピーターコール社は、ドイツ国内はもちろん、ポーランドやハンガリーなどヨーロッパ各地で採れ原料羽毛を『洗浄』『選別』し、製品羽毛へと加工するヨーロッパ最大規模の羽毛加工メーカーです。

極限状態まで洗浄され、そして『成熟ダウン』のみを集められた『最高ランクの羽毛』は本当に清潔で、ふわふわと軽い。まるで暖かい空気の塊のようです。それを用いた羽毛ふとんで寝ることを想像するだけで、心の底からぽかぽか暖かくなるから不思議です。

しかしながら寒冷地でしっかりと育成された水鳥から採取された羽毛であっても、その後の加工・精製をきっちりと行わないと台無しです。

一羽のグースから通常約300グラムの羽毛が採れます。一口に羽毛と言っても
『成熟ダウン』
『未熟ダウン』
『疑似ダウン』
『スモールフェザー』
『フェザー』
など種類は雑多です。この中で質の良い『成熟ダウン』の比率はごく一部です。

羽毛は食肉用として飼育されている水鳥(ダックやグース)の副産物に過ぎません。鳥を食肉用に屠殺した後、機械的に羽毛を寄せ集めます。そのため上記のような雑多な羽毛が大量に集まることになります。その中から質の良いダウンだけを選り集めるための精製加工が重要となります。

3.羽毛は加工(洗浄・選別)が重要

加工は大きく分けて『洗浄』と『選別』の2つの行程に分けられます。

『洗浄』は水洗いすることにより、羽毛原料に含まれる汚れや油脂分、さらにはチリやホコリを取り除く工程です。汚れを取り除いてしっかりと乾燥させることで、羽毛をふっくらと開かせるのも重要です。

『洗浄』は隠れた重要ポイント。ここで手を抜くと『匂いがする』、『ほこりが出る』あるいは『本来のかさが出ない』などの問題が生じます。

『選別』は、羽毛の中に含まれる『成熟ダウン』『未熟ダウン』『疑似ダウン』『スモールフェザー』『フェザー』を選り分ける工程です。この中から質の良い『成熟ダウン』だけを選別するのはなかなか手間のかかる作業です。

上の写真はピーターコール社が所有する、高さが12メートルもある世界最大級の羽毛選別機。この選別機を用いて、雑多な原料羽毛を選別・精製する。羽毛ふとんの品質を左右する重要な機械です。

機械の中を舞っているのがフェザー(羽根)ばかりであることにご注目ください。羽毛の種類によってエアブローした時の飛び方が違う(ふんわり軽いものほどよく飛ぶ)という原理を利用して、選り分けます。

こういった加工の良し悪しにより、最終製品である羽毛ふとんの品質には大きな差が出ます。逆に言うと、この加加工程で手を抜いた羽毛ふとんは『粗悪品』です。

例えば『ポーランド産』で『ダウン率90%』と表示されていたとしても、『未熟ダウン』のみをよせ集めたような羽毛ふとんも世の中には多く存在します。もちろんこのような羽毛ふとんは暖かくありません

(続く)

 

 

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自称“日本一”文章を書くのが好きなふとん屋

広島県出身の熱狂的カープファン。かつては神奈川県でカネボウ化粧品研究員をしていました(口紅やマスカラの処方開発担当)。縁あって、今は香川県で寝具店『西部製綿株式会社』の社長をしています。自称“日本一”文章を書くのが好きなふとん屋です。『正しいことを正しく伝える』スタンスで『寝具』のこと『眠り』のことを分かりやすくお伝えしています。
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