【ゲルテックスマットレス】販売店の立場から徹底解説してみました|新モデル『クオンタムタッチ』対応
- 目次
1.ドイツナンバーワン ベッドマットレスブランド『シェララフィア』
2.最初の評価はNG
3.ベッドマットレス市場のトレンドの変化
4.ドイツ ケルンメッセ2014にて(ゲルテックスマットレスとラテックスマットレスの比較論)
5.ゲルテックスマットレスの特徴『柔らかい』のに『しっかり支える(高反発)』
6.ゲルテックスマットレスの構造(旧モデル『プラチナ』と新モデル『クオンタムタッチ』の違い)
7.ゲルテックスマットレスのラインナップ
8.ゲルテックスマットレスはこのような方に選ばれています
9.この点にご注意ください
10.ゲルテックスマットレスと最高の組み合わせのベッドフレームとは?
11.私のおススメする『ゲルテックス クオンタムタッチ』のモデルとは?
この記事は
初出 2013年3月9日(ライブドアブログ 快眠生活zzz 新素材『シェララフィア ゲルテックスマットレス』にて)
転載・修正 2018年2月23日
加筆・修正 2019年2月24日
加筆・修正 2019年3月24日
加筆・修正 2020年4月26日(新モデル ゲルテックス クオンタムタッチに関する記述を新たに追加)
加筆・修正 2020年8月15日(ゲルテックス クオンタム180に関する記述を新たに追加)
この記事では『ゲルテックスマットレス』について、自称日本一文章を書くのが好きな寝具店社長が、販売店の立場から、メーカーサイドの情報の受け売りや転載ではなく『正しいことを正しく伝える』スタンスで、どこよりも分かりやすく独自解説しています。
『ゲルテックスマットレス』のご購入を真剣に検討中の方は、ぜひご参考になさってください。
『ゲルテックスマットレス』のスペックやコンセプトに関してはメーカーの公式サイトをご参照ください。
1.ドイツナンバーワン ベッドマットレスブランド『シェララフィア』
まず冒頭は一般的な話から始めます
シェララフィアのロゴの左端にあるローラーのイラストがこのブランドを象徴しています。
シェララフィアのスタートは1909年ですから、100年を超える歴史を誇ります。ドイツは品質管理にうるさい国で、ドイツ人はヨーロッパの中で日本人に最も近い国民性とも言われています。
ちなみにまったくの余談ですが、日本人のプロサッカー選手の移籍先として、最も成功する確率が高いのがドイツ ブンデスリーガであるように思われます。ドイツには日本人がなじみやすい何かがあるのかもしれません。
さて、1930年代のことです。マットレスの耐久性(耐荷重性)を証明しようとして検討していた時に、たまたま通りかかったのが重さ10トンの蒸気ローラー車でした。とっさに担当者は、そのローラー車にマットレスの上を通過するように依頼したそうです。その結果、マットレスの見た目にほとんど変わったところはなく、厚みも元通りに復元したそうです。
その後もシェララフィアマットレスの耐久性を証明するために、公証人の立会のもと何度もこの実験を行い、同ブランドのマットレスの耐久性を証明したそうです。シェララフィアのロゴに用いられるローラー車のイラストは100年以上にわたる同社の品質保証の象徴です。
シェララフィアは、他のベッドマットレスメーカーのように有名スポーツ選手をモデルに使ったり、〇〇王室御用達といったブランドイメージを用いたりといった派手な宣伝販促手法はあまり取らないブランドで、いかにもドイツらしい品質重視の質実剛健なイメージです。
ドイツ国内では認知度、シェアともにナンバーワンのブランドです。本社及び工場はノルトライン=ヴェストファーレン州のボーフムにあります。『シェララフィア』はブランド名で正式な会社名は『シェララ・コンフォート・ジャーマニー』社です。
お隣ベルギーにある『レクティセルグループ』の子会社で、このグループはウレタンを中心としたフォームの会社。『レクティセルグループ』で作られるウレタンフォームが『ベンツ』や『BMW』『アウディー』などのドイツの高級車のシートで用いられています。素材開発から自社グループ内でやっているのですから『シェララフィア』の商品開発力が強いのは当然です。レクティセルグループ全体で年商約2,000億円、シェララフィアの年商は約500億円とのことです(だいぶ以前に聞いた話ですので、現在の数値とは異なっているかもしれません)。
2.最初の評価はNG
いよいよここからが本論です
私とゲルテックスマットレスの出会いは2012年の初夏だったと記憶しています。『シェララフィア』ブランドの日本国内の輸入販売代理店である『関家具』さんの大阪ショールームに行った時のこと。営業のTA氏が『新しい画期的なベッドマットレスがあります!』というのです。
聞くところによると、ドイツ国内では2012年の初めに発売され、すぐにシェララフィアブランドマットレスの決定版としてヒット商品になったとか。サイズや寝心地を日本国内仕様に改良し、これから大々的に打ち出そうとしている、まさにそんな時期でした。
さっそく私は興味津々で試し寝しました。しかしながら私の評価は『NG』でした。柔らかすぎると感じたのです。
日本ではいまだに『せんべいふとんが体に良い』という俗説がまかり通っているように、日本国民は『硬い敷き寝具(敷きふとん、マットレス)』が好きな国民と言えそうです。質の良い眠りのためには適度な柔らかさの敷き寝具(敷きふとん、マットレス)であることは間違いありません。そしてその適度な硬さとはその人の体重・体型・寝姿勢によって異なります。ですから単に硬い敷き寝具(敷きふとん、マットレス)が眠りに良いはずはなく、そんな私は自称『せんべいふとん撲滅主義者』です。
そんな私からしても最初この『ゲルテックスマットレス』を体感した時の印象は『柔らかすぎる』と感じたのです。そのため私はこのゲルテックスマットレスをすぐには採用しませんでした。
3.ベッドマットレス市場のトレンドの変化
ところがその後、大阪の有名家具店に市場調査に行ってみると『シモンズ』や『シーリー』など有名なマットレスブランドが、私の予想をはるかに上回るほど柔らかいマットレスをラインナップして、
『柔らかいマットレスほどフィット感があるので良いマットレスである』→『つまり高品質で値段が高い』
という販売方法を採用していることを知りました。
その販売方法は、売り手にとっての売りやすさ(説明のしやすさ)のためであり、それが正しいマットレスの提案方法ではない・・・と私は感じましたが、有名ブランドがそういった売り方をしている以上、国内でのマットレスのトレンドも変わっているはずだという想いが芽生え、その後いろいろリサーチしてみたところ、私の想像以上に市場には柔らかいベッドマットレスが多く出回っている現実を知りました。
その事と、当店でお客様一人ひとりに合ったマットレスをご提案するというスタンスは全く別の問題になりますが、手持ちの武器としてどのような寝心地のマットレスをラインナップするかに関しては、市場の動向・トレンドに沿ったものにする必要があります。
そこで2012年の秋頃、もう一度『関家具』さんの大阪ショールームを訪問して、『ゲルテックスマットレス』の寝心地を改めて体感させていただきました。
その結果、柔らかいと言えば柔らかいのですが、いわゆる低反発のマットレスとは一線を画し、決して腰が沈みすぎることなく、適度な反発力もあるという事を確認し、私はゲルテックスマットレスの導入を決めました。
4.ドイツ ケルンメッセ2014にて(ゲルテックスマットレスとラテックスマットレスの比較論)
その後2014年1月にケルンメッセ(毎年1月にドイツのケルンで開催される、世界最大級の家具の総合展示会)を訪問した際、シェララフィアのゲルテックブランドは会場内の一等地(SLEEP=睡眠がテーマの展示ブースの入り口の真正面)に、かなり大規模のブースを構えていました。訪問者も多くかなりの賑わいで、このことからもドイツ国内における同ブランドのポジションの強さを再確認する事が出来ました。
『ゲルテックスマットレス』と『ラテックスマットレス』の比較
ケルンメッセをアテンドしてくださったTU氏から、
『センベラ』の『ラテックスマットレス』と
『シェララフィア』の『ゲルテックスマットレス』の比較を聞かせていただきました。
ちなみにどちらも同じレクティセルグループの製品です。かつては同グループが『センベラ』の『ニューナチュラスター』に代表される『ラテックスマットレス』を主力に打ち出していました。
しかしながらここにきて『シェララフィア』の『ゲルテックスマットレス』を主力に切り替えてきたとのことです。
『ゲルテックスマットレス』と『ラテックスマットレス』は比較的似通った物性を示します。しかしながら前者が『石油由来のポリウレタン』が主原料なのに対して、後者は『天然ゴム』と大きく異なります。
①『ウレタン』の方が『天然ゴム』よりも物性をコントロールしたり、加工が行いやすい
②『ウレタン』の方が安定供給やコストの面でも勝っている(同じグレードの品質に設計した場合、ラテックスの方が価格的に割高になる)
などの点で『ゲルテックスマットレス』の方が『ラテックスマットレス』よりも明らかな優位性があるとのことです。
しかしながらかつてはウレタンでは、なかなかラテックスのような物性を出す事が困難だったそうです。しかしながら新素材『ゲルテックス』の開発により、その問題が解消(ウレタンでラテックス様の物性を実現できた)されたそうです。
以上のような理由で、同グループも『センベラのラテックスマットレス』メインから『シェララフィアのゲルテックスマットレス』メインに大きく舵を切りました。
ケルンメッセで他社のブースも見て回りましたが、ゲルテックスマットレスの発売から2年経ったということもあり、多くのメーカーがゲルテックスマットレスに追従して、似たようなコンセプトのマットレス(ウレタン系のふんわり高反発マットレス)展示していました。
その反面『ラテックスマットレス』の展示は限定的なものでした。アテンドしてくださったTU氏も『数年前と比べてラテックスマットレスの露出が極端に少なくなったようだ。』と仰っていました。
そのため『今後ヨーロッパで、ラテックスマットレスは下火になっていくだろう』というのがTU氏の見解。しかしながら『天然ゴムという自然素材のイメージを好む一部のニッチな層向けとして、ラテックスマットレスが無くなることはないだろう。』とも仰っていました。
上記の内容は、あくまでも私の見聞をもとにした記述ですので、必ずしも全てが正確とは限りません。そのつもりで読んでいただければ幸いです。
(追記)その後、センベラのラテックスマットレスは廃盤となりました。
5.ゲルテックスマットレスの特徴『柔らかい』のに『しっかり支える(高反発)』
ゲルテックスマットレスの寝心地を一言で表現するならば、『柔らかい』のに『しっかり支える(高反発)』という事になります。
ゲルテックスマットレスの特徴① 柔らかい
ゲルテックスマットレス最大の特徴は『柔らかい』こと。手などで押さえるとぐっと沈み込みます。そのためほとんどの方が最初は『こんなに柔らかくても大丈夫?』と感じられるはずです。
ゲルテックスマットレスの特徴② しっかり支える(高反発)
しかしながら実際に寝てみると、しっかりと身体が支えられている事がお分かり頂けると思います。これはゲルテックスマットレスが持つもう一つの特徴『高反発』だからこそです。
『柔らかい』すなわち『フィット感に優れる』『体圧分散性に優れる』
『高反発』すなわち『寝返りが打ちやすい』『身体が余分に沈まない』『しっかり支える』
しかしながら、世の中のマットレスを見渡した時、『柔らかさ』と『反発力』は相反する要素であることが分かります。その点ゲルテックスマットレスは『柔らかさ』と『反発力』という相反する2つの要素を極めて高いレベルで両立しているベッドマットレスと言えるでしょう。
その後2019年秋のモデルチェンジで、高反発の特性はやや弱まりました。この点に関しては後述します。
6.ゲルテックスマットレスの構造(旧モデル『プラチナ』と新モデル『クオンタムタッチ』の違い)
ゲルテックスマットレスは2つの素材の組み合わせで出来ています。
①上層に柔らかめの素材を配することで、フィット感、体圧分散性を高める。
②下層に硬めの素材を配することで、しっかり支え、寝返りをサポートする。
この基本構造は、世の中にある多くのマットレスに採用されていますが、ゲルテックスマットレスもまた同様です。
旧モデル『プラチナ』の構造
画像中の黒い部分が『ゲルテックスフォーム』青の部分が『ブルテックスフォーム』です。
ブルテックスフォームは1990年代に開発された素材で、ゲルテックス以前のシェララフィアマットレスのメインの素材でした。硬めの高反発な物性を有しています。下層に硬めの『ブルテックスフォーム』を配置することで、余分な沈み込みを防ぎ、体重をしっかりと支えてくれます。
ゲルテックスフォームはジェルとポリウレタンの組み合わせでできた新しい素材で、まさにゲルテックスマットレスの寝心地はこの素材があるからこそです。ゲルテックスフォームは『柔らかさ』と『反発力』を極めて高い次元で兼ね備えています。
2019年秋、ゲルテックスマットレスは4年ぶりにリニューアルされました。本国ドイツでは2018年にリニューアルされたので、遅れること1年ということにります。
今回のリニューアルでは、4年前と比べてより大掛かりな改変が行われました。
新モデル『クオンタムタッチ』の構造
既存のゲルテックスマットレスは
上層 ゲルテックス
下層 ブルテックス(硬めの高反発フォーム)
であったのに対して、新しいモデルは
上層 タッチフォーム(柔らかめのゲルレックスフォーム=既存の上層とほぼ同一、上の図のグレー部分)
下層 クオンタムフォーム(硬めのゲルテックス=新素材、上の図のオレンジ部分)
となり、上層、下層ともゲルテックスフォームとなりました。
新旧モデルの寝心地の違い
①上層に柔らかい層を配することでフィット感を高め
②下層に硬い層を配することでしっかり支える
というマットレス構造の黄金律は踏襲しつつ、しっかり支える下層をブルテックスフォーム→クオンタムフォーム(硬さ、反発力ともに、ブルテックス フォーム> クオンタムフォーム)とすることで、寝心地が従来モデルとは異なりました。
ゲルテックスマットレスの寝心地を『柔らかい』のに『しっかり支える(高反発)』と表現されます。
しかしながら新しいモデルは『高反発』の特性が弱まりました。もちろん『低反発』とは全く一線を画す寝心地ですが、かつてのような跳ね返るような弾力性は弱まりました。
しかしながら『しっかり支える』という部分に関しては、しっかりキープされています。
今回のモデルチェンジに関しては評価の分かれる部分だと思いますが、私としては評価しています。
『高反発』=『寝返りが打ちやすい』という部分は、以前ほど訴求しにくくなったことは事実です。その分寝心地に安定感が出たように感じています。裏を返せばかつてのゲルテックスマットレスは反発力が高すぎた・・・とも言えます。
そのため、かつてのゲルテックスマットレスを使われた方で、『跳ね返りが強すぎて、寝ていてちょっと船酔いしたように感じる』という方がいらっしゃいました。しかしながらこういった感覚は薄まりました。そして逆にラグジュアリーな感触が増しました。
従って新しいゲルテックスマットレスの寝心地を私なりに表現すると『柔らかい』のに『しっかり支える』というのは相変わらずで、これに加えて新たに『もっちりとして、コシのある寝心地』ということになります。
『もっちり』『コシがある』というのが、マットレスの寝心地を表現する言葉として、適当かどうか微妙な所ではありますが、この表現が一番伝わりやすいのではないかと思っています(より適切な表現が見つかったら書き換えたいと思います)。
7.ゲルテックスマットレスのラインナップ
第1世代のラインナップ
2012年秋の発売当初は
『ゲルテックス500』
『ゲルテックス900』
『ゲルテックス1200』
の3グレード展開でした。
もともと寝心地面での評価は高かったのですが
・側生地のピリング(毛玉)が起こりやすい
・ゲルテックスフォームが黄変しやすい(初期モデルはゲルテックスフォームの色がライトブルーだったので、紫外線による黄変が目立ちやすい)
の2点がドイツ国内の販売店からやり玉に上がったそうです。
そのため2014年、発売からわずかわずか1年あまり(ドイツ国内の発売からは2年)という短期間でマイナーチェンジが行われました。ちなみに上記の2点に関しては、はっきり言って致命的な欠点と言うほどではありませんが、それでもすぐに改良の手を加えてくるあたり、モノ作りに真面目なドイツ、シェララフィアらしいと思います。(個人的にはモデルチェンジ前の側生地デザインの方が好みでした)
第2世代『プラチナ』のラインナップ
マイナーチェンジ当初は、発売時と同様の3グレード展開。
『ゲルテックス500』の後継モデル⇒『ゲルテックス プラチナ200』
『ゲルテックス900』の後継モデル⇒『ゲルテックス プラチナ240』
『ゲルテックス1200』の後継モデル⇒『ゲルテックス プラチナ240X』
そして2015年に
『ゲルテックス プラチナ90』
『ゲルテックス プラチナ180』
『ゲルテックス プラチナ220』
の3グレードが追加され現行の6グレード展開となりました。
その後2016年に
『ゲルテックス プラチナ90』が廃盤となり
新たに
『ゲルテックス プラチナ60
(その後、2018年にゲルテックス プラチナ60は廃版となりました。1枚でマットレスや敷きふとんとして使うには薄すぎ、オーバーレイとして使うにはやや分厚いため、中途半端な位置づけであったように思います。)
『ゲルテックス プラチナ160』が加わり7グレード(のちにゲルテックス プラチナ60の廃版により6グレード)展開となりました
『ゲルテックス プラチナ○○』の『○○』はそれぞれのマットレスの厚み(㎜)を意味しています。上級モデルになるほどゲルテックスフォーム層の厚みが増し、その分フィット感が高まり=柔らかい寝心地になります。
現行モデル『クオンタムタッチ』のラインナップ
その後2019年秋に大幅モデルチェンジされ
『ゲルテックス クオンタム200』
『ゲルテックス クオンタム220』
『ゲルテックス クオンタム240』
『ゲルテックス クオンタム260』
の4グレード展開となりました。
ちなみに2020年7月に新モデル
『ゲルテックス クオンタム180』が追加になりました。
ゲルテックス クオンタム180
2020年7月に追加されてた新モデル。
硬めのクオンタムフォームのみで構成されており、5モデルの中で最も硬めの寝心地。
タッチフォーム層の厚み なし
クオンタムフォームの厚み 16㎝
シングル 98,000円(税込) W100×L195×H18㎝
セミダブル 128,000円(税込) W120×L195×H18㎝
ダブル 158,000円(税込) W140×L195×H18㎝
ゲルテックス クオンタム200
柔らかめのスタンダードモデル。
タッチフォーム層の厚み 3㎝
クオンタムフォームの厚み 15㎝
シングル 128,000円(税込) W100×L195×H20㎝
セミダブル 178,000円(税込) W120×L195×H20㎝
ダブル 218,000円(税込) W140×L195×H20㎝
クオンタム200に関して、一点ご留意いただきたいポイント
『ゲルテックス クオンタム200』に関して、ご留意いただきたいポイントがあります。
従来モデル及び現行モデルに共通する、ゲルテックスマットレスの基本的なラインアップは
①グレードが上がるほどマットレス全体の厚みが増す
②その中でも特に上層(今回モデルの場合タッチフォーム)の厚みが増す
③その分寝心地が柔らかく(=フィット感が増す)
なります。
ここで現行の5モデルを比較してみます。
クオンタム180 タッチフォーム⇒0㎝、クオンタムフォーム⇒16㎝
クオンタム200 タッチフォーム⇒3㎝、クオンタムフォーム⇒15㎝
クオンタム220 タッチフォーム⇒4㎝、クオンタムフォーム⇒16㎝
クオンタム240 タッチフォーム⇒5㎝、クオンタムフォーム⇒17㎝
クオンタム260 タッチフォーム⇒6㎝、クオンタムフォーム⇒18㎝
※タッチフォーム=柔らかめのゲルテックスフォーム、クオンタムフォーム=硬めのゲルテックスフォーム
これらを一見すると、硬い順に
クオンタム180>クオンタム200>クオンタム220>クオンタム240>クオンタム260
となりそうです。
しかしながら実際の寝心地は『クオンタム200』が一番柔らかいという逆転現象が起きています。
つまりこれはどういうことかというと、クオンタム200だけ下層(クオンタムフォーム)に他のグレードよりも柔らかい素材を採用しています。
寝心地は柔らかく(フィット感はアップ)なりますが、その分しっかり支えるという部分が犠牲になっていることを意味します。この点をご理解され、しっかり体感して選ばれることをお勧めします。
販売店の立場から言わせていただくと、このようなモデル構成(先ほど述べた逆転現象)は、お客様にとってモデル選びを難しく(販売店の立場でもご提案がやりにくく)しているように思います。次回のモデルチェンジの際にはご考慮頂きたい部分です。
ゲルテックス クオンタム220
ゲルテックスクオンタムタッチシリーズのベストセラーモデル(当店で一番推奨するモデル)。
タッチフォーム層の厚み 4㎝
クオンタムフォームの厚み 16㎝
シングル 148,800円(税込) W100×L195×H22㎝
セミダブル 198,000円(税込) W120×L195×H22㎝
ダブル 238,000円(税込) W140×L195×H22㎝
ゲルテックス クオンタム240
よりフィット感を高めた上級モデル。ドイツ国内ではこのモデルが一番人気だとか。
タッチフォーム層の厚み 5㎝
クオンタムフォームの厚み 17㎝
シングル 168,000円(税込) W100×L195×H24㎝
セミダブル 218,000円(税込) W120×L195×H24㎝
ダブル 268,000円(税込) W140×L195×H24㎝
ゲルテックス クオンタム260
タッチフォームの厚みを6㎝にした最上級モデル。
タッチフォーム層の厚み 6㎝
クオンタムフォームの厚み 18㎝
シングル 208,000円(税込) W100×L195×H260㎝
セミダブル 268,000円(税込) W120×L195×H260㎝
ダブル 328,000円(税込) W140×L195×H260㎝
8.ゲルテックスマットレスはこのような方に選ばれています
ゲルテックスマットレスは、
・太めの方よりも細めの方
・男性よりも女性
・年配の方よりも若い方
に好まれる傾向があります(あくまでも傾向です)。
特に、小学校高学年から中学生くらいのお子様連れで、親御さんが『好きなマットレスを選んでいいよ』とおっしゃった場合、お子様はかなりの確率でゲルテックスマットレスを選ばれる傾向にあります。この点はかなり顕著であると言っても差し支えないと思います。
また年配の方でも、かなりやせ型の方で『(寝ていて)骨の出っ張った部分が敷き寝具に当たって痛い』と訴えられるような方には、ぴったりハマります。反発力もありますので、寝返りが打ちにくいという心配もありません。
また『尻もちをついた際に、尾てい骨を骨折した。』という方が来店されたことがあります。骨折自体は治っているはずなのに、それ以降『どんな敷き寝具を選んでも、仰向きだと尾てい骨が痛くて寝られない』とのことでした。その方がゲルテックスマットレスを体感された結果『これなら仰向けで寝られる』と、ご購入いただきました。
ゲルテックスマットレスの寝心地を好まれる方は、理屈抜きに『一目ぼれ』する傾向があります。逆もまた然りで、すぐに『この寝心地は苦手』という方も少なからずいらっしゃいます。ある意味好き嫌いのはっきり出やすい個性的な寝心地と言えるでしょう。
9.この点にご注意ください
BMIの高い方(体重の重い方)が上級グレードを使用された場合、沈み込みが強く出過ぎる場合があります。
腰痛(前屈痛)のある方は特にお気を付け下さい。
また、これはマットレス全般に当てはまる事ですが、いわゆる『初期ヘタリ』という問題があります。
『ヘタリ』というと語弊があるかもしれませんので、別の例えをしますと『糊の掛かったYシャツ』を想像ください。最初糊が掛かって風合いの硬いYシャツ、使うと馴染んで風合いが柔らかくなります。当たり前の現象ですよね。
それと同様にマットレスも、新品の時と比べると、1~2か月使って馴染んだ後に寝心地が初期よりもやや柔らかくなります。裏を返せばそれが本来の寝心地ということになるのですが、『試し寝の時よりも柔らかく感じる』というお声をたまにお聞きします。感じ方も人それぞれで、もちろん人によっては全く感じない場合もあります。
この場合、マットレス全面が均一に柔らかくなるのではなく、体圧の掛かる部分、一般的にはお尻の部分が柔らかく感じるようになります。問題ない方にとっては全く問題ないのですが、腰痛持ちの方ですと『朝起きたら腰が・・・』ということになる可能性があります。
このあたり、じっくり体感した上で選ばれることを強くお勧めします。
10.ゲルテックスマットレスと最高の組み合わせのベッドフレームとは?
2018年に『センベラ』ブランドから『フリーモーション』という床板が発売となりました。
『2モーターの電動ベッドの床板』で『背上げ』と『脚上げ』が出来ます。
この『フリーモーション(の床板)』と『ゲルテックスマットレス』の組み合わせが非常に優れていると私は考えています。
既述の通り、しばらく使ってみて思ったより臀部(お尻)の沈み込みが強いと感じる場合の対処として、沈んだ部分を直接持ち上げるのではなく、膝を持ち上げることによって、間接的に臀部の沈みを防ぐという手法が非常に有効です。(腰やお尻を直接持ち上げると、腰がそった状態になり、逆にしんどくなる場合があります)
この点に関して、簡易的なやり方としては、膝の下にタオルやパッドを敷くことによって対応することが出来ます。そのため当店ではこのやり方をご提案してきました。
しかしながらフリーモーションですと、膝の持ち上げを機械的に、しかもその時のコンディションに合わせて(持ち上げる高さを)自在に調整することが可能となります。これは文章で伝える以上に、使っている方にとっては寝心地の変化が実感いただけるはずです。
こういった点を踏まえて当店では、以前は『ゲルテックスマットレス』と『パラマウントベッド』の電動ベッドフレーム『インタイムトラスト』の組み合わせを推奨してきました。しかしながら
・サイズ展開の問題(インタイムトラストがシングルサイズしかない)
・価格の問題(インタイムトラストの価格がシングルサイズで約20万円)
がネックとなっていました。
その点『フリーモーション』ですと、発売されているセンベラブランドのベッドフレーム全てと互換性があります。そのため
・サイズもシングル、セミダブル、ダブルから選べます。
・価格帯もシングルサイズで(モデルによって異なりますが)約10万円~約12万円と比較的リーズナブルです。
また
『膝上げ』は腰痛対策以外にも、膝痛や股関節痛の対策、さらには足のむくみに対策に有効です。
『背上げ』はいびきや睡眠時無呼吸対策として、また逆流性食道炎の対策として有効であると考えられます。
もちろん上記の症状に対する効果は個人差がありますので、必ずしも保証の限りではありません。
こういった寝姿勢対策や様々な症状に対する効果以外にも、テレビを見たり、読書をしたり、ベッドの上を快適にお使いいただくという意味で、介護用というというよりも、健康な方がベッドライフをより快適に過ごすための用途で、電動ベッドフレームは注目を集めつつあります。
当店では、上記のような理由からゲルテックスマットレスをご購入の方には、センベラブランドのベッドフレームの同時購入をお勧めしています。予算の都合でまずは『すのこ』を選ばれてもOK。後々床板だけを『フリーモーション』に交換が可能です。
センベラのベッドフレームの床板として
①『すのこ』
②『フリーモーション』
以外にも
③『ウッドスプリング』
を選ぶことが可能です。しかしながら当店では『ウッドスプリング』をあまり積極的には推奨してはおりません。
もちろん『ウッドスプリング』=『板ばね』により
1.マットレスの寝心地がよりよく感じる
2.マットレスのヘタリ対策(体重の一部が板バネで逃げるので、マットレスにかかる荷重の減少)
3.マットレスのカビ対策(すのこよりも空間が広く、板バネのしなりで湿気が逃げやすい)
といった効果が期待できます。
しかしながらこれらの効果が『すのこ』との価格差ほどに有効か?と言われると、疑問符が付くと言わざるを得ません。ですから私は上記のようなことをご説明したうえで『費用対効果を考えた場合、ウッドスプリングではなくすのこで十分です』という説明をしてきました。
臀部の沈み込み対策としてスライダーによる硬さ調整が有効と思われるかもしれません。(センベラに限らず、世間の一般のウッドスプリングベッドは、胴体部分にスライダーによる硬度調整が出来るものが一般的です)
この点に関して(自らが検証した結果に基づく)私見を述べさせていただきます。確かにウッドスプリング単体で触ったり、直接ウッドスプリングの上に寝たりすると、スライダーの調整によって板バネの硬度変化が感じられます。しかしながらこの上に厚みのあるマットレスを載せると、まさに『二階から目薬』となってしまいます。
実際の使用感の変化(寝姿勢や身体の沈み込みの調整効果)はほとんど感じられないはずです。ウッドスプリングのスライダーによる硬度調整は、販売時のパフォーマンスの要素が強いと感じています。(あくまでも私見です)
私は以上のような理由で『ゲルテックスマットレス』+『センベラのベッドフレーム』+『床板フリーモーション』はかなり優れた組み合わせであると考えており、店頭でも実際にこのような説明をしています。
当店ではフリーモーションの床板との組み合わせで寝心地がどうなるかを実際に体感いただくことが可能です。
11.私のオススメする『ゲルテックス クオンタムタッチ』のモデルとは?
それはズバリ『クオンタム220』です。
現行の5モデルの中では『クオンタム180』に次いで硬いという位置づけになっていますが、それでも『柔らかい』のに『しっかり支える』という寝心地は十分に表現されており、またラグジュアリーな寝心地です。
もちろんもっと柔らかい寝心地のモデルの方が、よりラグジュアリー感が得られます。しかしながら、その分実際に使用した際に『思ったよりも沈み込みが強い』と感じてしまうリスクが伴うはずです。
現在当店では
『クオンタム180』
『クオンタム220』
『クオンタム260』
の3モデルを展示しています。
前のモデル『プラチナ』の際には、全モデル(7タイプ)を展示していました。しかしながら寝心地をあまり細かく刻みすぎると、お客様にとっては、寝心地の違いが逆に分かりにくくなり『結局どれが良いか分からない』という状況に陥ってしまう弊害を強く感じていました。
そのため今回は全モデルではなく、代表的な3モデルの展示にしています。
四国各地からのアクセス良好
・高松中央ICより50分
・松山ICより80分
・徳島ICより90分
・高知ICより60分
どうぞお気軽にご来店ください。
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